【RosyPath 愛と癒しの物語 第4章《いのちの交響曲》】 ──花々と魂が奏でる、見えないものたちへの祈り──
見えないものを感じる力は、植物と向き合う時間の中で、少しずつ育まれてきました。
花が咲くこと、音が響くこと、風を感じること──すべてが美しい光に思える今。
RosyPath第4章では、音と花と魂が溶け合うような、いくつかの特別な日々を綴ってまいります。
見えないものたちの気配を、心に感じていただけたら嬉しく思います。
第1話:魂にふれる音、記憶の花が咲く午後
七夕が近づく夏の午後。
青空が広がる横浜・みなとみらいホールで、私は胸がワクワクしながら席につきました。
バーミンガム市交響楽団、指揮、山田和樹。
そしてピアノは、今世界中から注目を集めるイム・ユンチャン。
ラヴェル、ラフマニノフ、チャイコフスキーという三つの“魂の響き”が、まるで物語の章立てのように続いていきました。
ホールの静寂が消えると、私は「ああ、やっぱり音楽と植物には、見えないものを癒してくれる力がある」と心があたたかくなりました。
崩壊と再生のワルツ
ラヴェルは、この作品に次のような情景を記しています。
「渦巻く雲のわずかな切れ目に、ワルツを踊る男女がかすかに見える。
雲は次第に晴れ、旋回する大勢の人でいっぱいの大広間が見えてくる。
舞台はみるみると明るくなり、シャンデリアの光がさんざめく、1855年ごろのオーストリアの宮廷。」
この作品がウィンナ・ワルツへのオマージュでありながら、
ラヴェルの戦争体験や病気による影響、そして時代の崩壊と再生への思いが込められているように感じました。
演奏が始まる前、指揮者の山田和樹さんは次のように語ってくださいました。
「冒頭の混沌とした雰囲気は、戦時中の記憶の影が反映されているのかもしれません。
それでもラヴェルらしい美しさが途中に立ち上がり、最後は壊れてしまうけれど、それもまた一つの美しさなんです。」
たしかにこの曲は、始まりこそもやの中に迷い込むような暗さがありました。
けれど次第に音の層が重なり、光が差し込むようにきらめくワルツが浮かび上がってくる。
私はこのラヴェルの《ラ・ヴァルス》を、以前にCDで繰り返し聴いてきました。
不思議な始まりと終わりに戸惑いながらも、その魅力にどんどん惹きこまれていきました。
暗い森をさまようような冒頭──そこに一筋の光が射しています。
その先には、まばゆい舞踏会が広がり、 いつしか私は、その真ん中で優雅にワルツを踊っているような感覚になっていきます。
今回の生演奏では、そのイメージを全身で浴びるように体感し、 まさに夢心地のひとときとなりました。
そして終盤は、音楽そのものが飲み込まれてしまうほど激しく揺れ動き、 舞踏会がそのまま渦に呑み込まれていくようでした。
その渦の中にこそ、真の美しさを感じます。
混乱と喪失のなかにあっても、人はなお踊り、美を求め、愛を紡ごうとする。
その姿は、風と一体になり、悲しみも喜びもすべて受け入れ 心のままに舞い踊る花々のように思えました。
三拍子のリズムが響くたび、私の心も躍ります😊
それは、日々植物と向き合う中で感じている、 見えないけれど確かにそこにある「いのちの律動」と、
どこか重なっているようです。
音楽は、時空を超えて心を運び、私をある祈りの地へと導いてくれました。
次に綴るのは、その先で出会った、光に包まれた一日のお話です──
涙とともに流れ込む旋律
続いてラフマニノフのピアノ協奏曲第4番。
私が若い頃、2番の美しさに魅せられて、夢中で3番、4番のCDを探した日々を思い出します。
4番はとくに演奏機会が少なく、こうして生演奏に出会えたこと自体が喜びでした。
イム・ユンチャンの演奏はまさに圧巻。
繊細さとダイナミズムが共存し、4番のもつ不安定さや複雑な情感が、彼の手によって物語のように語られていきます。
これまで聴いたどの4番よりも、生演奏に深く惹き込まれ、気づけば感動の涙が流れていました。
アンコールのJ.S.バッハ「ゴルトベルク変奏曲 第13変奏」もまた、静謐で美しく、心が洗われるようでした。
“運命”は踊りながら進んでいく
チャイコフスキーの交響曲第5番。
冒頭から運命のモチーフが重く響きますが、音楽はその“定め”に抗うかのように、どこか踊るように進んでいきます。
特に第三楽章のワルツは、ラヴェルのワルツとは異なる優美さと憂いを帯びていて、音に身を任せたくなるような心地よさがありました。
そして終楽章。運命の主題が光に変わる瞬間、私は音楽に「生きる力」を重ねていました。
第2話:時空を越えて咲くものたちへ──江の島の祈り
コンサートの感動がまだ胸の奥に余韻として響いていた数日後、私は江島神社を訪れました。
参道を歩いていたとき、ふと目の前に現れたのは、空へと大きく枝を広げる2本の大木。
シマナンヨウスギとクックアロウカリアというその木々は、明治18年にこの地を造園した英国人サムエル・コッキングが植えたとされ、
現在は藤沢市指定の天然記念物です。
その姿は、まるで時代を超えて立ち続ける“記憶”そのものでした。
葉の形は日本の杉にも似ていますが、実は2億年前から姿を変えていないといわれる“生きた化石”。
その悠久の生命力は、コンサートで感じた「崩壊と再生」のテーマと重なり、
私はそのエネルギーを全身で感じながら、しばらく見上げていました。
さらに進むと、空に向かって凛と伸びるアオノリュウゼツランに出会いました。
この植物は一生に一度だけ花を咲かせ、そしてその役目を終えると静かに枯れていきます。
けれどその足元には、次のいのちへと続くように、小さな芽たちがいくつも顔を出しています。
タイミンチク──こちらは数十年から100年に一度だけ花を咲かせるといわれる稀少な竹。
この日、奇跡のように、その花の一輪に出会うことができました。
風の中に、蝶の羽音のような何かを感じます。
小さな出会いが、大きな物語の扉を開いていきます。
第3話:蝶の舞、風の記憶──見えないものの語ること
夏の陽射しの中、色鮮やかな草花に舞うアオスジアゲハやアカボシゴマダラ。
その羽ばたきに、天国からのやさしい知らせを受け取ったような気がしました。
池でのんびり泳ぐ亀。
静かに咲くピンクの薔薇たち。
どれもが、かけがえのない命がそっとバトンを渡すように、目には見えない温かな世界の存在を教えてくれるようでした。
そして、部屋のテーブルに飾った小さなバラたちのほほえみのような佇まいに、私は静かな感謝の気持ちで包まれました。
音楽も植物も、命あるものも、やがては形を変えていく。
その変化の中にこそ「美しさ」や「愛」は宿っている。
この夏の午後に始まった響きの旅は、見えない力に導かれるように、時空を越えていのちの風景へとつながっていました。
花が咲き、風が吹き、蝶が舞う──それは、いのちが静かに奏でる交響曲。
見えないものたちに、私たちはいつも優しく包まれている。
そう感じるとき、世界は愛に満ちているのだと、心から思えるのです。
次の章では──
植物たちと過ごす日々の中でめぐり逢った、小さな奇跡や
心をそっと照らしてくれた“愛と癒し”の風景を、また綴ってまいります。
どうぞ、これからもRosyPathの旅をご一緒に。
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今この瞬間を大切に、心穏やかに──
植物の恵みとともに、幸せで豊かなRosy Pathを歩んでいきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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- note:RosyPath-植物と心の旅