RosyPath 第10章《本来の音》第2話 やさしい時間の奥に
春分を迎えたベランダでは、
やわらかな春の光の中で、植物たちが静かに息づいています。
ジャスミンの蕾は日に日にふくらみ、
バラやクレマチスの新芽も、ぐんぐんと伸びていきます。
三十年近く、毎年咲き続けてくれるクリスマスローズ。
水仙、パンジー、アリッサム。
どの花も、誰に見せるでもなく、
ただ春の光を受けて、静かに喜んでいるようです。

春の光は、
人の心も、そっと明るく照らしてくれます。

東京都美術館で開催されていたスウェーデン絵画展を訪れたとき、
冬の長い北欧の人々にとっての、
貴重な春のよろこびが、静かに伝わってきました。

静かな室内。
やわらかな光に包まれた暮らしの風景。
母と子が寄り添う、何気ないひととき。
どの作品にも、
優しく暖かな静けさが流れていました。

それは、ただ美しいというだけではなく、
どこか懐かしく、
心の奥にそっと触れてくるような感覚でした。

そのとき、
ある記憶が、やさしく浮かび上がってきたのです。
幼い娘たちに、絵本を読み聞かせていた夜のこと。
二週間に一度、図書館で
絵に惹かれるままに選んだ二十四冊の絵本。
腕には抱えきれず、
ベビーカーに乗せて、家まで運んでいました。
そのひとつひとつが、
私自身の心にも、静かに触れていました。
物語の世界に入り込み、
気づけば声を詰まらせてしまうこともあり
そんなとき、娘たちは、
「早く、早く」と、先を急かしていたのを覚えています。

今回の絵画展で、ふと思い出したのが、
スウェーデンの絵本作家、エルサ・ベスコフ の描く世界でした。
ページを開くと、
花や植物、子どもたちが、やわらかな光の中で生き生きと息づき、
その世界にそっと包み込まれるような感覚になります。
ベランダや部屋に咲く花たちも、
どこか妖精のように感じられてくるのです。

あの時間に流れていたものは、
物語の内容だけではなく、
やわらかく、静かな光そのものだったのだと思います。
久しぶりに絵本を手に取ると、
あの頃と何も変わらない世界が、
そのままそこに在ることに気づきました。

そして今、娘たちとその絵本のことを話すと、
それぞれの物語を驚くほど鮮やかに覚えていて、
「あのとき、こう感じたよね」
「この場面が好きだった」
と、大人になった今の言葉で語ってくれます。
私は思わず笑いながら、
その記憶を一緒にたどっていきました。

あの時間は、過ぎ去ったものではなく、
今もどこかで、やさしく続いているのだと感じます。

あの展覧会で出会った光も、
絵本の中にあった光も、
そして今、ベランダに差し込む光も——
それらはすべて、
静かにつながっているように思えます。

春分の翌日に訪れたコンサートで聴いた音楽の中にも、
どこか懐かしい響きがありました。
若い演奏家たちの奏でる音には、
軽やかさと透明な光があり、
どこか遠い記憶に触れるような感覚がありました。
かつて、部屋に流れていた音楽が、
形を変えて、そっと戻ってきたようでした。

目には見えないけれど、
確かにそこに在るもの。
それは、かたちを変えながら、
ずっと私のそばに在り続けていたのかもしれません。

やさしい時間の奥に、
静かにひびいているもの。
それが、本来の音なのだと、
今、ようやく気づき始めています。
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そのときがきっと、よいタイミングです。
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