【RosyPath 愛と癒しの物語 第7章《美と祈りの巡礼》】〜植物と芸術が語る無償の愛〜第2話
針と糸が奏でる光 — “手の祈り”が導く美の世界 —
音楽の章:時をつなぐ手
秋のはじまりの午後、横浜みなとみらいホールに響いたのは、ピアニスト・務川慧悟さんのショパン。
彼が32歳を迎えた今年、ショパンが同じ年齢で生み出した1842年の作品を、ひとつの流れとしてたどるプログラム。
時を越えて、二人の“32歳”が重なり合う――
まるで見えない糸で結ばれたような、静かな奇跡のひととき。
演奏されたのは、マズルカや即興曲、バラード、英雄ポロネーズ、スケルツォなど、
多彩な表情をもつ作品たち。
一音一音がまるで光の粒のように会場を満たし、
静けさの中で、作曲家と奏者、そして聴く人の心が溶け合っていくような時間でした。
アンコールでは、2024年に発見されたショパンの新しいワルツ(イ短調)と、
情熱の極み《革命のエチュード》。
過去と現在が静かに響き合い、
時の向こうから祈りが届くような感動がありました。
最後の一音が消えても、会場にはしばらく温かな静けさが残っていました。
その余韻が胸の奥で小さく灯り続け、
私を次の“光”へと導いてくれたように思います。
手の章:手がつむぐ祈り ― マドモアゼル・シャネル 刺繍とテキスタイル、100年の物語 ―
務川慧悟さんのピアノが心の奥に静かに残る数日後、
私は六本木ヒルズの52階、森アーツセンターギャラリーを訪れました。
「刺繍とテキスタイル、100年の物語」
タイトルに惹かれたのはもちろんですが、
私にとって“手”の仕事は、幼い頃から身近な祈りのかたちでした。
洋裁が得意だった母は、よそゆきの服やコート、ピアノの発表会のドレスまで、愛情たっぷりに作ってくれました。
その姿に影響を受けて、私も娘たちとお揃いの夏のワンピースを作ったり、柄違いのうさぎのパッチワーク人形を縫ったり。
「作る」ことの喜びとぬくもりを、自然に受け継いできたように思います。
会場に足を踏み入れた瞬間、まるで宝箱をのぞいたようでした。
天井から吊るされた生地や刺繍の素材、カラフルなスパンコールや羽根、ガラスビーズ。
テーブルごとにテーマがあり、色とりどりの素材が生き生きと並べられて――
そこには、賑やかで自由な“手の世界”が広がっていました。
土の部屋では小さな可愛らしいお人形と
お茶碗にも刺繍が🍵😊
受け継がれる手の記憶
le19Mには、刺繍、羽根細工、金細工、帽子、靴、プリーツなど
11の「メゾンダール」が集まり、約700人の職人が働いています。
彼らが扱うのは、単なる“装飾”ではなく、“命の延長”のような素材。
特に印象に残ったのは、ルサージュの刺繍。
近づいて見ると、糸の一本一本に人の呼吸が感じられ、
光を受けてきらめくスパンコールが、まるで朝露のように生きていました。
それは布の上に描かれた「時間」であり、
100年にわたって手から手へと受け継がれてきた祈りそのもの。
その“祈り”の手の記憶を映すように、映像には、パリの「le19M(ル・ディズヌフ・エム)」で働く職人たちの姿。
針を運ぶ手、糸を通す眼差し、素材に触れる静かな集中。
その一瞬一瞬が、まるで祈りの所作のように美しく、神聖でした。
ひと針ひと針に、静かな情熱と魂の温度がありました。
その佇まいに、私はベランダで薔薇の葉を撫でる時と同じ“気”を感じました。
植物も刺繍も、どちらも「手」でいのちを育む営み。
人の心が込もることで、初めて“美”が息をするのだと、改めて教えられました。
創造とは、祈りの形
マドモアゼル・シャネルが生涯を通して求めたもの。
それは華やかさではなく、「生きることそのものを美しくする力」。
その哲学が、le19Mの若い職人たちに確かに受け継がれていました。
機械では決して再現できない微細な感覚、
素材の声に耳を澄ませる“間”の美しさ。
それはどこか、ピアノで音を紡ぐ務川さんの姿にも重なります。
音と糸――どちらも“手”から生まれ、“心”で響くもの。
人が何かを創るということは、
世界を少しでも美しく、優しくしたいという祈りなのだと思いました。
光は、作品の中ではなく、心の中にある
展示の最後、天空のカフェで、
今見てきた美しい世界の余韻に浸りながら、
窓辺に映るやわらかく輝く空を眺めました。
その穏やかな光の中で、ふと胸に浮かんだのは、大好きな美しい音楽。
ショパンのピアノも、バッハの祈りも、ラヴェルの色彩も――
音楽はどれも、目には見えない“手の仕事”のように、
丁寧に心の糸を紡いでいく。
刺繍やテキスタイルも、音楽と同じ“いのちのリズム”を奏でています。
針と糸が描く旋律。光と影が生み出すハーモニー。
本当の美しさとは、形を超えて、
心の中にやさしく響きつづける“調べ”のようなものなのかもしれません。
光は、作品の中ではなく、心の中にある。
シャネルが生きた時代も、今の私たちの時代も――
その光は変わらずに存在し、
一人ひとりの心の奥で、静かに息づいているのだと感じながら、
私は午後の光の中を、ゆっくりと後にしました。
――この光の先に、きっとまだ見ぬ新しい宇宙が待っている。
次回、第3話では、
“手”がつむいだ祈りの先に、“光”が導く美の世界へ――
物語はさらに深く、静かに続きます。
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植物の恵みとともに、幸せで豊かなRosy Pathを歩んでいきましょう。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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- note:RosyPath-植物と心の旅