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2025年11月18日 / 最終更新日時 : 2025年11月18日 midori-tobira Rosy path(ヒーリング）

RosyPath第8章第１話薔薇の復活

年々夏が暑くなり、今年の夏も本当に厳しい酷暑が続きました。
ベランダのバラたちからも、「暑いねえ、早く秋が来ないかなあ」と声が聞こえてくるようでした。笑

ベランダでバラを育てて三十年を超えますが、私は普段、化学薬品には頼らず、

バラ本来の力で咲かせることを大切にしてきました。

もちろん、バラ愛好家の方々の多くは、定期的な消毒を当たり前のように行っているのも承知しています。

それでも、我が家では、日々の観察と少しの手入れで、バラは十分に応えてくれます。

ところが、この酷暑の夏、我が家で最も大きな鉢で育ててきたイングリッシュローズに、思いもよらない被害がありました。

30年近く育ててきた古株でもあり、これまで一度もなかったカミキリムシの被害です。

もちろん、虫も生き物。生きていくためにこのバラを選んだのだと思えば、それも自然の摂理です。

けれど、長い付き合いのある大切なバラです。できる限りのことをしてあげたいと思いました。

どの枝に被害があるかはすぐわかりましたので、その枝を処置しました。

弱った株につきやすい虫の特性も考え、やむなく一度だけ薬剤を使用しました。

これは普段の栽培では使わないもので、必要に応じた最小限の判断です。

その後、被害が他の枝に広がらず、無事に養生できたことを考えると、この選択は間違いではなかったと感じています。

根を手作りの生薬入りの水に浸し、きれいな新しい土に移植。

酷暑の時期の植え替えは通常は避けるべきですが、枝を守るためにできる範囲で行いました。

一度はすべての葉が落ち、ああ、だめかもしれない…と思う日々もありました。

しかし時間が経つにつれ、切り落とした枝以外の茎には水分が通っていることがわかり、他の枝から新芽が次々と顔を出しました。

初めて芽吹きを見たとき、ようやく胸をなでおろした気持ちになりました。

品評会に出すような完璧な姿ではなくても、虫にかじられた葉や不揃いな枝の中にこそ、

真の美しさと力強さが宿るのだと教えてくれる。

生命力こそ、癒しそのものです。

無農薬で育てる中で培った植物の知恵と自然の摂理に感謝しながら、私はこの小さな命の頑張りを心から褒めてあげました。

「よく頑張ったね」と。

春に再び花を咲かせるかはわかりません。

でも、今ここに確かに息づく“生きようとする意志”がある。それだけで十分なのです。

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